『メモリ』では、我々が数十年後、実際に立ち会うことになるかもしれない未来の話を描きます。
本作品のあらすじをなぞりながら、設定資料のお話などさせていただきます。
＜2045年地球＞
シンギュラリティを迎え、科学技術が加速度的に発展した人類。
●シンギュラリティ
シンギュラリティは“技術的特異点”という訳され方をしています。
アメリカの発明家でフューチャリストのレイ・カーツワイルが提唱している、人類が最も知能の高いAIを作り出した後、どうなるかという仮説です。
↑この人（Wikipediaより転載）
人類が一度完全なAI（人口知能）を創り出すことに成功したら、以降の研究や開発はそのAIが担っていくことになり、そうなれば、加速度的に人類はさらなる発展をすることが出来る、というものです。
下記サイトが、端的にまとまってると思います。
『21世紀中に訪れる「シンギュラリティ（技術的特異点）」とは何か』
参考元：イケダハヤト氏のブログ『まだ東京で消耗してるの？』
ウェアラブルARデバイス「マキナ」を用いたグローバルネットワークが生活に定着していた。
●AR（Augmented Reality）(拡張現実)
昨年2016年はVR元年と呼ばれた年でした。
皆様もVRは馴染みがあるかもしれませんが、ARはどうでしょうか？
ARは、現実に見ている空間に様々な情報を表示させ、現実世界が拡張したように見せる技術のことを言います。
実は、ARも既に我々の日常の多くに取り込まれています。
（公式サイトより転載）
『ポケモンGO』です。右上を見ると“AR”と表示があるのに気がつくと思います。
このARの技術は、近いうちに大きく私たちの生活に根付くことになると予想しています。
それこそ、10年前多くの人がスマートホンを持って歩いている未来を想像していなかったように。
『VRとARとMRの違いについて』
参考元：カディンチェ株式会社さんの解説サイト
↑こちらは、AR製品で既に実際に商品化されているものです。
本作で登場する“ウェアラブルARデバイス「マキナ」”を通して見る世界は、このような世界をイメージしています。
↑こちらは、先日公開された私が個人的に大好きな『ソードアートオンライン』というアニメの映画です。日本の演劇界の大スター「井上芳雄」さんが声優で登場しております。
“ウェアラブルARデバイス「マキナ」”は、この映画で登場する「オーグマー」と呼ばれるARデバイスに近いものをイメージしています。
それに伴い、ナノ医療が大きく発展し、人類はいよいよ死を克服しようとしていた。
死を克服した人間は、果たして人間と呼べるのか。
これまでの倫理観の大きな転換点として、世論は大いに湧いていた。
最初のレイ・カーツワイル氏の話に戻りますが、ここまで来ると、究極人間が死ななくなる日が本当に来るんじゃないかと私は思っています。
そうしたら、年金70歳からでも大丈夫そうですね。←
だがしかし、死ななくなることは幸せなことなのか、もしそうなったら、我々が持っていた倫理観というものは大きく変化してしまうのではないか。
そんな、非現実的ですがちょっとありえるかもしれない、と思ってしまうような状況が、＜2045年地球＞の設定です。
＜30億年前火星＞
高度に発展した文明があり、マイクロマシンによる電脳化が実現した人類。
対して、30億年前の火星のお話です。
こちらは、知っている人は知っている話かもしれません。
“火星には遥か昔、超古代文明が栄えていた”
という、一種の都市伝説的な話です。
そういうの大好きなんです。
というわけで、“３０億年前”という途方もない昔の話ですが、技術的には先ほどの“シンギュラリティを迎えた地球”よりもさらに先に進んだ世界の設定です。
↑こちらも、私が大好きな『攻殻機動隊』というアニメです。
本作の30億年前の火星は、このアニメのような“電脳化”が進んだ人類、というイメージです。
そんな中、火星は今真っ二つに割れていた。
肉体を捨て、電脳世界への完全移住を目指す東の大国『シドニア』。
肉体を持ち、火星同様の環境がある太陽系第3惑星、地球への完全移住を目指す西の大国『バルカン』。
２つの希望は何億年と議論がされ続けてきたが、答えが出ることはなかった。
そんな火星では、人類は2極化しています。
我々も、もっと未来には同じような選択を考える時が来るのではないでしょうか？
我々の子供や孫たちが、きっと。
＜2045年の地球＞と＜30億年前の火星＞を巡る、『シドニア』の凄腕ハッカー“ギノ”と、『バルカン』の王族の娘“リタ”との、想像を超えたロミオとジュリエット的サイバーパンク×スペースオペラ×ラブストーリー！
以上で『メモリ』設定資料のお話を終わります。
よろしければ、公演の方もよしなによろしくお願いいたします。
